地球のタイムカプセル

地球の健康のバロメータである南極。
南極から得られる情報をどのようなものがあるのでしょうか。

南極は地球のタイムカプセル

南極は、いわば地球のタイムカプセルのような場所。そこで、過去の地球で起きていた自然現象の調査や研究を続けていくと、未来の地球環境はどうなるか、人の暮らしに何か役立つことはあるか、といった予測や対策が立てられるのです。
南極は地球のタイムカプセルとも呼ばれています。
何かが南極に埋まっているのですか?
はい。
南極は人類の手があまり入っていない大陸なので、
南極でしかできない特有の調査ができます。

南極の氷から太古の空気

南極にはいろいろなところの空気がやってきます。
この空気の中にふくまれるものが南極の氷に閉じこめられます。
南極の氷は長い時間がかかってできているので、氷に昔の空気がふくまれていることになります。
南極の氷の中に太古の空気が含まれている場合があります。
その空気は氷が出来た時の空気なので昔のものですね。

南極の氷中の二酸化炭素からわかること

近年の温暖化は温室効果ガスの変動がきっかけになっていると言えますが、過去にはこれと逆に、気温の変動をきっかけとして大気中の温室効果ガス濃度が大きく変化していた自然現象があったのも事実です。
南極の氷中の空気から二酸化炭素の成分を分析すると、
現代の地球温暖化とは違った自然現象を確認することができました。
ふむふむ、それはどういうことでしょか?
近年の地球温暖化は温室効果ガスの二酸化炭素が増えることで起きています。
昔は、暖かくなることで二酸化炭素が増えていたことがわかりました。

南極は貴重な情報源

氷床コア解析のような過去の知見の蓄積は、将来の気候変動を予測する上で非常に貴重な情報となります。さらに別な視点からいうと、 “急激” に見えるCO2の増加が1000年で20ppm程度であるのに対して、現在では “たった10年” で同程度の濃度上昇が観測されているのですから、氷床コア解析のデータはわれわれ人類が大気に対していかに大きなインパクトを与えているかを考えさせられる貴重な情報であるともいえます。
南極の氷には非常に貴重な情報が詰まっています。
近年の10年間の二酸化炭素の増加量が、
昔の1000年分くらいに相当することが南極の氷でわかります。
他ではわからないような情報ですね。
はい。長年手付かずだった南極だからわかることです。

隕石の宝庫南極

1969年のやまと隕石の発見以来、現在までに、25,000個以上の隕石が南極氷床上から回収されています。国際隕石学会に登録されている隕石の約70%は南極から採集されており、南極は、地球上で最も隕石が沢山採集される地域と考えられています。
さらに、南極では隕石が多く発見されています。
50年程度で25000個も!
他の地域より、かなりの高確率で発見できるみたいですね。

南極の隕石は汚染なし

南極隕石は、内陸の山脈周辺部で多く見つかります。このような南極内陸の山脈付近には、表面に積雪の無い氷床(「裸氷体」と呼ばれる)が露出しています。氷床は、降雪が時間経過とともに圧密を受けた結果生じます。この氷床は通常、内陸から沿岸へ向けて流動していて、この氷床の動きと南極隕石の発見に、大きな関係があると考えられています。
南極に落下した隕石は、表面の雪にとりこまれます。雪が降り積もるとともに埋没し、雪の圧密とともに、氷床の中に取り込まれて、氷床の流れとともに、深部あるいは沿岸に向かってゆっくりと流れ出します。
山地などでは、氷床がせき止められるため、局所的に上昇流が起こります。またこの地域は、「カタバ風」が強く、上昇した氷は継続的に昇華されます。このため、結果として氷床の中に取り込まれた隕石のみが取り残されます。
南極で発見された隕石は、雪に取り込まれ、埋没します。
そして南極大陸の山地にせき止められでてきます。
長い旅を経て出てくるのですね。
氷に包まれているため、南極の隕石は汚染されていないのです。

南極の隕石は最適な研究サンプル

南極で採集されることが多いのは、他と比べて風化せずに落下した当時のままの状態で残っているものが多いから。当時のままの情報がたくさん詰まっているので、研究のサンプルとしては最適です。
汚染されていないということは、隕石落下当時の情報がそのままなのです。
空気に隕石、まさに地球のタイムカプセルですね!

南極は貴重な大陸

厳しく、苛酷な自然環境、それが近代まで南極地域への人類の立ち入りを拒んできました。その結果、南極地域には今でも雄大かつ美しい、原生的な自然環境が残されています。この南極の原生的な自然環境は、環境の変化がダイレクトに反映されることから、地球環境を映し出す鏡であると同時に、地球誕生以来の情報をその厚い氷によって閉じ込めている、地球の歴史や謎をひもといてくれるタイムカプセルでもあります。このため、南極では日本を始め世界各国の科学者たちが、地球の過去と未来を知る為の手がかりをつかみ、地球環境の保護に役立てようと、様々な調査・研究を行っています。
これまでご説明したように、
南極は非常に貴重な大陸ということがわかったと思います。
はい。太古の情報をそのまま得ることができますね。
そうですし、地球の健康のバロメータでもある南極を、
世界各国人々が大切に守らないといけませんね!
出典
  • http://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/1050
  • https://www.env.go.jp/nature/nankyoku/kankyohogo/nankyoku_kids/donnatokoro/timecapsule/ice.html
  • http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/8/8-1/qa_8-1-j.html
  • http://yamato.nipr.ac.jp/exploration/exploration2
  • https://www.env.go.jp/nature/nankyoku/kankyohogo/kankyou_hogo/kichouna_shizen/koyukachi.html