黒船
3月は5週あったので最後の週は、「海」に関係のあるお話をしますね。
はい!よろしくお願いしますー。
では、ペリーの黒船来航はご存知ですか?
もちろんです。
黒い船でペリーが日本に開国を迫りに来ました。
黒い船でペリーが日本に開国を迫りに来ました。
はい。では、なぜ船が黒かったはわかりますか?
黒船の理由は
船が黒かった理由ですが、日本を威圧するために黒塗りの船でやってきたのではなく、木材が腐るのを防ぐために、コールタールというものを塗っていたためです。
このコールタールが黒だったので黒船だったのです。
コールタールとは石炭を蒸し焼きにすると出てくるネバネバした液体です。 コンクリートが普及する前、木材の防腐剤として枕木(鉄道のレールを支える木)などに使われていました。
このコールタールが黒だったので黒船だったのです。
コールタールとは石炭を蒸し焼きにすると出てくるネバネバした液体です。 コンクリートが普及する前、木材の防腐剤として枕木(鉄道のレールを支える木)などに使われていました。
実は船の防汚剤が黒かったのです。
ふむふむ。開国を迫るので威圧感を出すためだと思ってました。
それはたまたまですね。
安全に航海できるようにコールタールの防汚剤を使用していました。
安全に航海できるようにコールタールの防汚剤を使用していました。
コールタールとは?
コールタールとは
石炭を高温乾留して得られる油状液体。石炭ガスやコークス製造の副成物。真っ黒で粘性があり,比重1.1~1.2。種々の芳香族炭化水素およびその他の有機化合物の混合物からなる。石油化学工業の発達する以前は,有機化学製品の最も重要な原料であった。木材や鉄器の防腐塗料としても用いる。石炭タール。
コールタールは石炭からできる液体です。
生物汚損から船を守ることが目的で使用されていました。
生物汚損から船を守ることが目的で使用されていました。
生物汚損とは
海岸構造物に付着するフジツボ類やイガイ類、発電所取水口に出現するクラゲ類などが、構造物や施設の機能を損なう場合、これらの生物を汚損生物と呼びます。
フジツボ類やイガイ類は、取水設備や取水管等に大量に付着すると水の流れを塞いでしまいます。また、クラゲの大量発生は発電所における冷却水の取水に深刻な障害を与えます。その他にも、北米等海外では淡水産の二枚貝(ゼブラマッスル)による深刻な取水障害が問題となっています。
汚損生物は事業者(施設管理者)にとって厄介なものですが、生物学的にみれば見事に環境に適応しており、環境変化にも強いという特性をもっています。このように、したたかな生物の防汚対策には、施設の構造や地域特性の知識に加えて生物特性の理解が不可欠です。
フジツボ類やイガイ類は、取水設備や取水管等に大量に付着すると水の流れを塞いでしまいます。また、クラゲの大量発生は発電所における冷却水の取水に深刻な障害を与えます。その他にも、北米等海外では淡水産の二枚貝(ゼブラマッスル)による深刻な取水障害が問題となっています。
汚損生物は事業者(施設管理者)にとって厄介なものですが、生物学的にみれば見事に環境に適応しており、環境変化にも強いという特性をもっています。このように、したたかな生物の防汚対策には、施設の構造や地域特性の知識に加えて生物特性の理解が不可欠です。
船にフジツボが引っ付いているのを見たことありませんか?
あ!あります。びっしりついてる船もありますね。
はい、フジツボが付いて船の走行機能が損なわれることが生物汚損ですね。
そして日本では、有機スズ系の防汚剤が開発され使用されていました。
そして日本では、有機スズ系の防汚剤が開発され使用されていました。
より良い防汚剤が開発されていったのですね。
しかし!有機スズ系防汚剤には問題があったのです。
有機スズ系防汚塗料の問題
船舶や漁網の防汚剤として使用されている塗料等に含まれている有機スズ(トリブチルスズ、トリフェニルスズ)化合物は内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンの一つとして注目されている。
有機スズ系防汚剤からは環境ホルモンが含まれていることがわかりました。
おう。そうなんですね…。
環境ホルモンとは
環境ホルモンが問題となりはじめたのは、1980年頃に世界各地で異常が発見されることによって、研究がされるようになりました。環境ホルモンは、外因性内分泌攪乱物質または外因性内分泌攪乱化学物質と呼ばれています。
環境ホルモンという呼び名は、あるひとつの物質の名前ではなく、生物のホルモンの働きを狂わせてしまう物質の総称です。環境ホルモンは、体内の正常な働きをするホルモンの働きを壊すことで、様々な異常を引き起こします。
性ホルモンのかく乱
生殖器の異常・精子の減少・卵巣がんや乳がんなどの生殖器のがん・性行動の異常などがあります。
環境ホルモンという呼び名は、あるひとつの物質の名前ではなく、生物のホルモンの働きを狂わせてしまう物質の総称です。環境ホルモンは、体内の正常な働きをするホルモンの働きを壊すことで、様々な異常を引き起こします。
性ホルモンのかく乱
生殖器の異常・精子の減少・卵巣がんや乳がんなどの生殖器のがん・性行動の異常などがあります。
環境ホルモンとは、体内のホルモンに異常を引き起こす物質のことです。
体内から影響が出るってすごい怖いですね。
すぐすぐ発見できなさそうですし。
すぐすぐ発見できなさそうですし。
そうですね。そこで、有機スズ化合物の国際的な使用規制ができました。
有機スズ化合物の国際的な使用規制
カナダなどは船底塗料へTBTの使用を禁止したほか、国際海事機関(IMO)は船底塗料へのTBTの使用を禁止したAFS条約(用語「TBT条約」の項を参照のこと)を2001年に採択している。日本国内では、TBT塗料・TPT塗料の製造・使用が諸外国に較べても早い時期に停止され、また、そうした背景のもと、TBT条約の採択について日本などが提案したという経緯がある。なお、国内の規制としてはTBTが化学物質審査規制法の第一種特定化学物質または第二種特定化学物質環境に指定されて所要の規制が行われている。
2000年以降に有機スズ化合物の国際的な使用規制ができました。
船の防汚剤はコールタールに戻ったのですか?
いいえ。実は、コールタールも問題がありました。
むむむ。
コールタールから発がん物質
ベンツピレンは物が燃えると必ずできる物質で、1933年コールタールから取り出されました。一グラムで一万匹のネズミにがんができる強力な発がん物質で、発がん物質の王様とも呼ばれています。日常生活においてもごくありふれたもので、食品中にも含まれます。肉、魚、穀類、薫製食品、野菜あるいはお茶やコーヒーにも含まれていますが、量は非常に少なく無視できるのです。
コールタールから発がん物質が発見されました。
なんと!
現在は亜酸化銅系の塗料
以前は錫系の成分を含んだ塗料が使用されていた時期もありましたが、現在では環境に配慮し、亜酸化銅系の塗料が主流になっています。
ただし、亜酸化銅は、電蝕といって、電気的に金属が浸されてしまうという問題があるため、アルミ艇には使用できません。そのため、亜酸化銅系の塗料は、主にFRPや木製の船底に使用されます。
現在は亜酸化銅系の塗料が使用されていますので、安心してくださいね。
亜酸化銅系の防汚剤も実は…と、ならないように祈ってます。
そうですね!日々の技術の進歩で良くなっていると思います。
- 出典
-
- http://www.cocoro-skip.com/rekishi/110002.html
- https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AB
- http://www.janus.co.jp/environ/tabid/218/Default.aspx
- https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13670340/
- http://www.gwarming.com/link/k_hormone.html
- http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2602
- http://h-gan.com/wordpress/kenkou2/%E3%81%93%E3%81%92%E3%81%AE%E7%99%BA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%80%A7.html
- http://www.nippe-marine.co.jp/products/shipbottom_1.html