2017年7月7日 第40回放送 「地球環境のためのデポジット制度」を分かり易く解説!

検索キーワードは「地球環境のためのデポジット制度」

今回取り上げるニュースはこれ

富士山あす山開き 夏山シーズンへ | NHKニュース

1日の山開きに向けて準備が進む富士山の山梨県側では、滑落や落石事故から身を守ってもらおうと、ことしから登山者にヘルメットを貸し出す準備を進めています。

吉田口登山道の6合目で登山者の安全指導や救急対応などを行っている「安全指導センター」では、山開きを前に富士吉田市の職員などが登山者に貸し出すヘルメット200個を用意しました。

富士山の登山者の中には十分な装備をせずに登る人もいるため、富士吉田市では、こうした取り組みを通じて安全への意識を啓発するとともに岩場が多い登山道で落石などへの注意を促すことにしています。ヘルメットは、1個3000円で貸し出し、下山して戻す際に返金する「デポジット方式」をとるということです。

7月1日から山開きになる富士山では、ヘルメットのレンタル時に料金を支払い、返却時に返金する「デポジット制度」を導入する予定です。

日本ではあまり広まっていない「デポジット制度」についてご説明します。


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デポジットの意味は?

depositの意味 – 英和辞典 Weblio辞書

(銀行・金庫などに)預ける、預金する、預ける、置く、(…に)腰を下ろす、産みつける、(…に)堆積(たいせき)させる、沈澱させる、(…を)手付金として支払う

そもそもデポジットは、預けるという意味です。

では、「デポジット制度」はどういうものでしょうか。


デポジット制度とは?

EICネット[環境用語集:「デポジット制度」]

製品価格に一定金額の「デポジット(預託金)」を上乗せして販売し、製品や容器が使用後に返却された時に預託金を返却することにより、製品や容器の回収を促進する制度。「預かり金払い戻し制度」と言うこともある。

「デポジット制度」とは、まず商品を購入する際に、お金をデポジットします。そして、使用後に容器などを返却した時に預けたお金を払い戻すものです。


デポジット制度の目的

デポジット制度 | 環境用語集 | 環境ビジネスオンライン

容器包装については、リサイクルの推進を図ると同時に、環境負荷とコストの低減にも資するリユース(再利用)の推進を図っていく。不法投棄の抑止や回収率の向上につながるデポジット(預託金)制度を導入し、リターナブル容器の普及促進を進めるなど、容器包装リサイクル法の見直しが求められている。

「デポジット制度」の目的は、リサイクル可能な容器などの回収率の向上と、不法投棄の抑止が挙げられます。

あまり日本では広まっていない「デポジット制度」。日本でも実際に取り入れている実例があります。


日本のデポジット制度

15.ローカルデポジット:実験から何を学ぶか?

神泉村の県立城峯公園内にある村営レストハウスで、缶入り飲料を対象にデポジット実験を昭和五十七年(一九八二年)八月に村当局の主導によって開始したのである。 埼玉県神泉村は群馬県との県境に位置する人口わずか千五百人の過疎村である。 この神泉村のローカルデポジットリファンドシステムは「缶無し」と村内を流れる「神流川(カンナガワ)」の二つの言葉から「カンナ方式」と呼ばれた。 翌年の昭和五十八年(一九八三年)五月からは、村内の小売店に協力を求め、村全体でミニデポジット実験に取り組んできた。

神泉村は「デポジット制度」を33年前から始めていました。

デポジット可能な缶には、目印のシールが貼ってあり小売店へ返却すると返金されます。


世界のデポジット制度

DIYer in ドイツ: 瓶・ペットボトルのデポジット

ドイツでビールや水を買うと、瓶やペットボトルのデポジットを取られます。売店やスーパーの価格表示の下に小さく、”Pfand 0.15€” などと書かれています。そして、買ったペットボトルには、写真のようなマークが入っていたり、” Pfandflasche ” と記入されていたりします。稀にデポジットが取られないものもあり、それらは、” Pfandfrei ” と書かれており、使い終わったものはゲルベザックへ入れます。

北欧やアメリカでは、「デポジット制度」が浸透しています。

飲料水などを購入時に、別途料金を支払って、自動回収ボックスに缶を入れると返金されます。

「デポジット制度」は、環境のために必要な制度だと感じますが、課題もありました。


デポジット制度の課題

デポジット制度 – Jinkawiki

・回収した容器の保管する場所の確保、それを処理するシステムの必要性から、費用の負担が大きくなる。特に都市部で深刻な問題である。 ・デポジット制度の導入により、対象となる商品のデポジットの分の価格が上昇することになるので、購入時に支払い価格は上昇する。そのため、デポジット制度対象の商品の需要が減少する可能性がある。 ・不正に返金料を受け取ろうとする犯罪も生じる。 実際、アメリカのミシガン州では、自動の回収機から返金料金を盗む行為が増え、逮捕者が出る。返金料を得る目的で、デポジット制度未導入の他の地域から、対象の商品が持ち込まれることが多く発生する。結果として、回収の負担が増加、さらに返金料による財源の不足する問題が起こる。 このような問題を解決するために、様々な対策法や新しいシステムの必要性から、負担も大きい。

「デポジット制度」で、回収した容器の保管やシステムのコストが大きくなることと、「デポジット制度」の不正が起きる可能性がありことです。

このように課題がある「デポジット制度」ですが、北欧では実際に運用されています。

日本でも、今後「デポジット制度」が増えていくかもしれませんね。


今回の放送のまとめ

リサイクルを後押しする「デポジット制度」の活用が望まれます


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