どうすれば、海の生物を守れるか?酸性化をふせげるか?
海洋酸性化は地球温暖化でさらに進行することがわかりましたね。
はい。非常に深刻な状況だということも。
海の酸化がどの程度で生態系に影響を及ぼすか解明されていない
海水の酸性化は、生物の殻や骨格になっている炭酸カルシウム生成を強く妨害するので、海の生物に影響を与えます。21世紀半ばには生物に対する影響が顕著になる可能性が高いと考えられますが、生物種ごとの影響はまだ十分に解明されていません。
海洋酸性化が深刻というのですが、
実際、どのくらいになれば生態系に影響が出てくるかはわかっていません。
実際、どのくらいになれば生態系に影響が出てくるかはわかっていません。
それでは、気づかないうちに影響が出ていることもあるのですね。
はい。全てが予想ですが、酸性化が進むと影響が出ることは確実です。
海洋酸性化は元に戻せないのか?
これまでに進んだ酸性化は、おそらく元に戻せないだろう。理論上は、アルカリ性の物質を海に投じれば、CO2増加の影響を中和できるはずだが、現実には不可能だ。たとえば1トンのCO2を中和させるのには少なくとも2トンの石灰が必要だが、現在世界中で排出されているCO2は年間300億トン以上にのぼるため、必要な石灰はとてつもない量になる。
自然の作用で海水のpHが工業化以前のレベルに戻るには、何万年もかかるだろう。
自然の作用で海水のpHが工業化以前のレベルに戻るには、何万年もかかるだろう。
酸性化しか海域を元に戻すことはできると思いますか?
地球ができてから海は、長い年月をかけて、酸性から弱アルカリ性に変わったので。
できるかも?
できるかも?
…いいえ、戻せないというのが現在の見解です。
膨大な量の二酸化炭素が排出され続けているので、
ちょっとやそっとじゃ変わらないと言われています。
膨大な量の二酸化炭素が排出され続けているので、
ちょっとやそっとじゃ変わらないと言われています。
大気中の二酸化炭素濃度が過去最高に
大気が海水と反応する時、そのCO2レベルが正常なら何も問題は生じません。しかし、世界気象機関(WMO)によると、大気中のCO2濃度はここのところしばらく異常値を示し、2016年には過去最高を記録しました。それが海洋酸性レベルも生物にとって危険なものにしたのです。
さらに、現在の二酸化炭素濃度は過去最高です。
どうすることもできません…か?
方法はあることはあります。
お!
海洋酸性化は温暖化対策で抑制
海が二酸化炭素を吸収する仕組みを制御することも、いったん海に溶け込んだ二酸化炭素を人工的に取り除くことも難しいので、海洋酸性化を抑制する方法は、二酸化炭素の排出量を減らすしかありません。化石燃料の消費を抑えた低炭素社会づくり、つまり地球温暖化対策と同じ対策が、海洋酸性化の深刻化を防ぐ唯一の対策ということができます。
二酸化炭素の排出量を減らすことです。
ですよねー。
海が二酸化炭素を吸収することを制御することも、
海中の二酸化炭素を取り除くことも難しいので、
排出量を減らすことしかできません。
そこで世界的な取り決めが必要になりますね。
海中の二酸化炭素を取り除くことも難しいので、
排出量を減らすことしかできません。
そこで世界的な取り決めが必要になりますね。
パリ協定ですね!
はい!すぐわかりましたね、さすがです。
世界の取り決め「パリ協定」
パリ協定とは、地球温暖化防止を目指して、温室効果ガスの排出についての2020年以降の各国の取り組みを決めた国際的なルール。
2015年12に国連の会議「COP21」で190カ国以上が合意し採択された。その後、2016年11月4日に発効され、法的な効力を持つようになった。現在、147カ国・地域が締結している。
この協定により、世界全体として、主に以下の2つの目標を掲げて努力することが決まった。
・産業革命前からの地球の気温上昇を2℃より⼗分低く保つ。1.5℃以下に抑える努力をすること
・そのために、21世紀の後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにすること
この目標達成のために、各国に対しては「自主的な削減目標を国連に出すこと」と「達成のため、削減に向けた国内の対策を取ること」を義務づけている。
2015年12に国連の会議「COP21」で190カ国以上が合意し採択された。その後、2016年11月4日に発効され、法的な効力を持つようになった。現在、147カ国・地域が締結している。
この協定により、世界全体として、主に以下の2つの目標を掲げて努力することが決まった。
・産業革命前からの地球の気温上昇を2℃より⼗分低く保つ。1.5℃以下に抑える努力をすること
・そのために、21世紀の後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにすること
この目標達成のために、各国に対しては「自主的な削減目標を国連に出すこと」と「達成のため、削減に向けた国内の対策を取ること」を義務づけている。
世界的な取り決めのパリ協定が、2015年に採択されました。
海洋版のパリ協定が必要じゃないかという考えが出てきました。
海洋版のパリ協定が必要じゃないかという考えが出てきました。
海洋版「パリ協定」を
ニューヨークの国連本部で開かれていた海の持続的利用や資源保全に関するハイレベル会合「海洋会議」は9日、海洋汚染の大幅な改善を求め、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の「特別な重要性」を訴える宣言を採択し、閉幕した。
国連事務局によると、首脳級約15人、閣僚級約90人を含む各国代表が参加した。2015年採択の「持続可能な開発目標(SDGs)」で掲げられた「海洋・海洋資源の保全と持続可能な利用」を達成するための国際的取り組みを加速させる。
国連事務局によると、首脳級約15人、閣僚級約90人を含む各国代表が参加した。2015年採択の「持続可能な開発目標(SDGs)」で掲げられた「海洋・海洋資源の保全と持続可能な利用」を達成するための国際的取り組みを加速させる。
パリ協定は大気中の二酸化炭素の排出に関する取り決めです。
確かに、海に特化した取り決めも必要ですね。
- 出典
-
- http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/6/6-1/qa_6-1-j.html
- http://www.toho-u.ac.jp/sci/env/column/29190/sanseika/sanseika.html
- http://ourplanet.jp/ocean-acidification
- http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2014/140516.html
- http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/07/paris-agreement_n_16993784.html
- http://kyoto-np.co.jp/environment/article/20170610000027
では、日本はどのような取り組みをしているのでしょうか?
- 1海洋の酸性化はすでに始まっている?
- 2酸性化が起こるとどうなる?
- 3どうすれば、海の生物を守れるか?酸性化をふせげるか?
- 4日本の取り組み